子どもたちにモノの大切さを伝えたい~おもちゃ病院~

北九州市八幡東区の市立児童文化科学館別館の2階に「おもちゃ病院」がある。その名の通り、おもちゃの修理を専門としたボランティアの病院である。代表の竹之内嘉治さんは、たまたま新聞で日本おもちゃ病院協会の存在を知った。もともと機械を扱うことが好きだったため、協会の会員になり、2000年に市立児童文化科学館におもちゃ病院第一号を開院した。現在では、市立児童文化科学館の他に八幡東区に1か所、八幡西区に1か所、小倉北区に1か所、門司区に2か所、直方市に2か所、岡垣町に1か所と、病院の数が増えている。

修理してほしいおもちゃを持ってきてもらい、受付の際に書くのが「おもちゃ病院カルテ」。壊れているおもちゃのことを「患者」、そのおもちゃが今どういう状態なのか「症状」を書き、部品が折れている場合には「骨折・打撲」、モーター等の不具合であれば「心臓欠陥」など、私たちが病院にかかった時のようにおもちゃにもカルテがある。修理し終わったおもちゃを引き渡すときには「この犬(のおもちゃ)はまた足の骨を骨折しちゃうかもしれないから、優しく遊んであげてね」など声かけをしている。子供たちも「はい!気をつけます」と嬉しそうに引き取って帰っていくという。

現在、おもちゃドクターは67歳から87歳の16名で運営している。平均年齢は72歳。みなさん、自分の好きなことでまだまだ社会貢献をしたいという思いから参加している。どうすればおもちゃが直るのか自分で考え、分からないときは仲間と協力しながら解決し、子どもたちの喜ぶ顔を見ることが、生きがいにもなり、元気の源にもなるそうだ。竹之内さんは、おもちゃ病院を運営していく中で一番やりがいを感じるのは、修理し終わったおもちゃを子供に引き渡し、喜んでいる顔を見たときであり、これからももっともっと見たいという。

おもちゃ病院で必要不可欠なのが部品などの充実だ。おもちゃの種類は、世の中に数えきれないほど莫大にあるため、部品の欠品によりやむを得ず修理できないおもちゃもある。そんな時に活躍するのが、もう修理不能となったおもちゃである。みなさんはもう使えなくなったおもちゃは捨ててしまうのではないだろうか。使えなくなったおもちゃにもまだまだ役立つ用途はある。それは、他のおもちゃに部品を提供することだ。おもちゃ病院を「修理してもらうために利用する場所」として足を運んでもらうだけでなく、「壊れたおもちゃが他のおもちゃに役立つかもしれない」という希望を持って足を運んでほしいというのが竹之内さんの願いだ。
おもちゃ病院のドクターたちが伝えたいことは「モノを大切に」という言葉。壊れたら捨てる、壊れたらまた新しく買うのではなく、壊さないように大切に扱い、壊れた場合はまだ使える方法を探す努力をしてほしいと願っている。

子供の壊れたおもちゃを親がおもちゃ病院に依頼するのはもちろん、大人の方も自分が子供の時にプレゼントしてもらったものや思い出の詰まったものをおもちゃ病院に依頼して、「あの頃」を思い出してみるのはどうだろうか。

■おもちゃ病院北九州■
〒805-0068
北九州市八幡東区桃園三丁目1番5号
Tel: 093-671-4566 Fax: 093-671-4568
URL: http://www.city.kitakyusyu.lg.jp (北九州市HPのイベント情報一覧より)
開催日: 毎月第三日曜日 おもちゃ修理の受付は10時~12時

記事:北九州市立大学 花井一帆・福永栞

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