ITで障がい者に就労支援 〜明るい未来のため飛び続けるひこうせん〜

西鉄バスに乗り西南女学院下バス停で降りて徒歩数分、おしゃれな一軒家のような事務所がある。ITアトリエ「ひこうせん」は北九州市障害福祉ボランティア協会から派生した団体で「障がい者でも働ける場所を作りたい」という思いから平成15年4月に設立された。平成20年には、NPO法人を設立し独立を果たす。ホームページの作成やテープ起こし、名刺の作成、ポスター・チラシ作成、軽印刷などパソコン作業を主とした活動を行っている。また「ひこうせん」という名前はその当時ボランティア協会が発行していた小冊子のタイトルである「ひこうせん未来」からとって名付けられた。

この活動を始める前、センター長である吉田さんが最初に考えたのは、「障がいを持った人ってなにができるのだろう?」ということだった。世の中には身体、視覚、聴覚、精神、知的障がい者など様々な障がいを抱えながら生きている人がたくさんいる。そんな人々全員が仕事として使うことのできるアイテムがパソコンであると思いついたのがこの仕事を始めるきっかけとなったそうだ。しかし、活動を始めたばかりの時すぐ壁にぶつかってしまった。仕事の依頼がなかなか来ない。最初は「障がい者になにができるの?」と思われていたかもしれない。ただ、一般企業と変わらない質の業務をこなし、依頼される仕事を少しずつ確実にこなしていくことで認知度を広めながら、確かな信頼を得ていった。その結果、今では忙しいといえるほど仕事を請け負えるようになったという。

これからの「ひこうせん」の目標は就労継続支援事業への移行だ。現在、地域活動支援センターとして、北九州市から補助金の交付を受け運営を行なっている。就労継続支援事業への移行で、国や県からの交付を受けられるようになり、活動の幅を更に広げることができる。
最終的に、就労継続支援A型事業所になることで、利用者さんに対し、一般企業と同じように最低賃金を支払えることができるようになるという。少しでも利用者さんの日常生活が、健常者と同じように豊にできればと吉田さんは言う。また彼には利用者さんに対してある想いがある。それは、様々な理由から、家に引きこもってしまっている障がい者の方たちに、施設に来ていただいて、他の人とのコミュニケーションをとる大切さを知ってもらうことだ。そして世の中のことを少しずつでも知っていくことにより、障がい者が社会に出るための第一歩になるのでは?と語る。

「ひこうせん」が行っている活動はパソコン作業だけではない。すべてハンドメイドのモノづくり作業も行っている。絵画や裁縫、利用者さんの特技を活かして作られた個性豊かな作品が店頭にはずらりと並んでいる。今後はこういった利用者さんが作った作品をネット販売していくことでより多くの人に「ひこうせん」のことを知ってもらいたい。そして福祉施設というよりも子供から大人まで幅広い世代の人たちが気軽に入れる雑貨屋というイメージを作っていきたい。そんな「ひこうせん」ではまだまだたくさんの利用者さんを募っている。自分の特技を活かしたい、新しいことに挑戦したいなど「ひこうせん」で仲間と一緒に活動をしたい人ももちろん、一般の人も個性豊かな世界に一つだけの作品を探しにぜひ一度足を運んでみてはいかがだろうか。

■ITアトリエ「ひこうせん」
 〒803-0835
 福岡県北九州市小倉北区井堀2-4-3
 TEL・FAX:(093)980-1890
 URL:http://www.hikousen.jp
 営業時間:月~金曜 10~17時

記事:北九州市立大学 平田流星・藏元佑衣

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