「モノづくりのまち」を世界へ発信 ~ネジチョコの挑戦~

皆さんは「ネジチョコ」をご存じだろうか。北九州の菓子店であるGRAN DA ZUR(グランダジュール)にて販売されているそのネジチョコは、ボルトとナットの形をしており、実際にそれらをくるくると組み合わせてしめることができる。

今回はそのネジチョコを開発された吉武太志さんにお話を伺った。吉武さんは通信機器販売業を行っている会社であるOAセンター株式会社の代表取締役社長で、青年会議所での活動や自ら設立したNPO法人NORTH NINEでの活動を通して様々な人と関わることで次第に北九州でのまちづくりに関心を持つようになったという。ネジチョコを作ったきっかけとなったのは、2015年に官営八幡製鐵所関連施設が世界文化遺産に登録されたことだった。せっかく世界遺産登録されたのに、それにちなんだ北九州ならではのお土産が少ないと感じた吉武さんは、北九州らしさを前面に出したお土産を作りたいと思い立った。

北九州はモノづくりの街であるというイメージから、2015年10月にまずH鋼という線路に使われている部品の形をしたチョコレートを製作した。しかし、見た目が棒のようで、とっつきにくいという印象から別の案に切り替えることになった。そこで出てきたのが、八幡製鉄所で見たボルトとナットだった。ボルトとナットの形をした商品は神戸や海外などで既にあって販売もされていたのだが、どれもサイズが大きく食べにくいものだった。そこで吉武さんは見た目にも可愛く、食べやすい一口サイズにこだわった。小さいサイズのチョコだとナットの螺旋部分を精巧に再現するのは困難だった。そこで普段あまりパティシエが用いない3Dプリンターでチョコレートの型を作るなど工夫し、細部まで精密に作ることに成功した。

2016年2月2日に記者会見で商品のプレゼンを行い、翌日から発売開始となったのだが、予想を超える反響でその後のストックを準備出来ない状態になるハプニングもあった。(株)OAセンターの飲食事業部門として経営している菓子店グランダジュールで発売を開始すると、その反響は大きくSNSでも注目を浴びた。当初は全国通販も行っていたが、あまりに注文が多く、現在は北九州市内での販売で手一杯だという。しかし、今でも関西・関東からの在庫の問い合わせは尽きない。

ネジチョコを市外や県外の人に見てもらい北九州に興味を持ってほしいというのが吉武さんの願いだ。そのため、販売場所はスーパーやコンビニなどではなく、駅や空港など観光客にお土産として買ってもらえるようなところに特化させている。2017年9月にはシンガポール、12月にUAE、2018年2月にカリフォルニアでねじチョコを北九州の歴史とともに展開した。ネジは万国共通ということもあり、海外でも関心は高く、純粋にチョコレートとしてもカカオ50%と高品質なこともあり、高い評価を得た。

現在売られているネジチョコはプレーンとココア味の2種類である。ハロウィンなどのイベント用に出る抹茶味やストロベリー味などの限定品を含めると7種類の商品がある。また、その中には新日鐵やJRなどとのコラボ商品もある。現在ネジチョコに注目する企業は他にも多く、TOTOやTOYOTAなどのいくつかの大企業からの問い合わせもあるという。ネジチョコを作るうえでの技術を活用した新たな商品の開発も手掛けている。

今は注文に対して生産が追い付いていない状況にもあるが、吉武さんは設備の改善をしながらゆっくり販売を続けていきたいと語る。今後も、産学連携で学生のアイディアを取り入れたり、さまざまな企業と協力して新たな商品を作っていきたいと吉武さんはいう。

■GRAN DA ZUR(グラン ダ ジュール)■
〒800-0251
福岡県北九州市小倉南区葛原1-12-23
TEL:093-475-7700
http://www.grandazur.jp/

記事:北九州市立大学 福住彩香・村上麻菜美

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