商店街の間に生まれた新空間「小倉魚町ビッコロ三番街」

ビッコロ三番街は、魚町銀天街・サンロード商店街の間の中屋三番街ビル一階にある複合商業空間だ。中には「三番街自由市」と「まいにち市」が開催され、小さな店舗が集積された商業施設である。三番街自由市では日替わりで朝市・昼市、夜にはあぶくり夜カフェが営業されている。まいにち市は好きな日に好きな店を机一つで出店できるスペースになっており、訪れる度に違った顔を見せてくれる。

今でこそこんな賑わいを見せる商店街だが、十年前には今とは全く違う景色が広がっていた。アーケードがかかっていたサンロード商店街の中は暗く、夜には人がほとんど通らなかった。そのため、商店街内に出店する客も減少を続け、路線価は最低レベルまで落ち込んだこともあったという。そんな商店街を再生させるきっかけとなったのが北九州小倉から始まったリノベーションスクール北九州だ。リノベーションスクールでは北九州市内に実在する活用されていない遊休不動産を対象案件とし、全国から集った受講生が4日間かけて対象案件の再生事業計画を立案していく。中屋ビルもまさにその対象案件の一つだった。そのリノベーションスクールで生まれたアイディアからビッコロ三番街は誕生したのだ。そんなビッコロ三番街は商業施設というだけでなくいくつもの役割を果たしている。

まずは、商店街間を行き来する通り道の役割だ。魚町銀天街と魚町サンロード商店街を結ぶ道は案外少ない。そこで、元々あった中屋ビルの壁を抜き、二つの商店街の間に回遊性を創り出したのだ。名前となっている「ビッコロ(vicolo)」は、「裏路地」という意味で、まさに商店街と商店街の裏路地のような独特の空間になっている。また、商店街を繋ぐ、人の行き来が活発に行われる通り道だからこそ、ただの通り道にするのではなく商いの場をつくることで経済活動が潤滑に行えるような空間にしたのだ。商店街近隣の飲食店さんがビッコロ三番街で野菜等の食材を買っていく。商店街の中で経済循環をできるようなモデルになっている。そして、ビッコロ三番街がビジネスを始めるうえでの第一歩(スタートアップ)となり、ここから巣立っていった経営者もいるそうだ。低い賃料で1日から借りられる為、他の場所よりも気軽に出店ができるからだ。開業を考えている人や出店の体験をしてみたい人にはぴったりの場所である。代表の嶋田さんは、「生活のコンテンツを商店街に入れる事で商店街の中で循環する、民間の人達で作り上げる経済を作りたい。そのうえで大切なのは人と人の繋がりで、様々な場所から来た人が多様な出店をするビッコロ商店街は色んな人と繋がれて色んなものが見えてくる経験の場所だ」と語る。リノベーションスクールの発祥の地 北九州ならではの、活気あふれる新たな商業空間。日々違った顔ぶれで賑わうビッコロ三番街でこれからも様々なビジネスや人との繋がりが誕生していくのが楽しみだ。

【小倉魚町ビッコロ三番街】
所在地 〒802-0006 北九州市小倉北区魚町3-3-20
施設管理 株式会社ワークスープ
代表取締役社長 嶋田秀範
電話 093-280-4029
FAX 093-280-3984
HP http://vicolo3.com/

記事 北九州市立大学 池上はるか・森田純一郎

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