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「“場所づくり”ד繋がりづくり”ד人づくり”」で誰もが生きやすい地域づくり NPO法人わくわーく 理事長 小橋祐子さん

八幡東区 まちづくり コミュニティスペース ソーシャルビジネス 保健・医療・福祉 障がい者福祉 障害者

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「みんなの笑顔が溢れる、誰もが生きやすい社会(地域)創り」に取り組む「NPO法人わくわーく」。活動をスタートして6年、北九州市八幡東区中央町を拠点に、商店街や地域の人たちを巻き込みながら、様々な事業を展開しています。今回は、理事長の小橋祐子さんに、これまでの活動や今後の事業展開についてお話を聞きました。

小橋祐子さん NPO法人わくわーく理事長
北九州市八幡東区出身。地元企業で働いたのち結婚・出産を経て精神障害者の通う施設で働く機会を得る。たくさんの経験の中から学んだ「こころとからだの健康」や「誰もが住みよいまち」の大切さを多くの方に伝え、精神障害をもつ方のみならず地域の様々な方が自分のまちで心豊かに暮らせるように、社会資源となるものを地域の皆さんと共に創りだしていきたいとの目的で平成22年5月、有志とともにNPO法人わくわーくを設立する。

 

まちづくり・地域づくりへの思い

— NPO法人わくわーくの活動をスタートして6年目ですが、現在の主な事業を教えていただけますか?

小橋さん 大きく2つの活動を行っています。
1つ目は、セミナー等を通じた障がい者に対する認識・知識の提供、様々な市民向け講座を実施するコミュニティ活動です。八幡東区のレインボープラザ内に地域団体との協働で「虹のふもと」というコミュニティスペースの運営も行い、誰もが生きやすい社会づくりを目指しています。
2つ目は、障がい福祉サービス事業所「BOCCHI」の運営、複数の事業所の商品を取り扱う店舗運営、「おいしい輪☆ぷろじぇくと」の実施を中心とした障がい者に関する事業を行っています。

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八幡東区の中央町商店街すぐそばの事務所兼店舗

— 障がい福祉サービス事業所を運営されているということですが、障がい者の方に対する事業が中心ですか?”

小橋さん 取りかかりの事業として障がい福祉サービス事業所「BOCCHI」の運営を始めましたが、あくまで私の課題意識は誰もが生きやすい社会づくりです。障害のあるなしではなく、様々な心や体の健康に問題を抱える方たちのために、まちづくり・地域づくりに取り組みたいという思いを強く持っています。

「BOCCHI」の語源はのんびり、ゆっくりの“ぼちぼち”から

「BOCCHI」の語源はのんびり、ゆっくりの“ぼちぼち”から

 

食べるだけじゃない、人と人との繋がりが生まれる「おいしい輪☆ぷろじぇくと」

— わくわーくでは、障がい福祉サービス事業所「BOCCHI」の運営、そして複数の事業所の商品を扱う店舗の運営されていますね。そして独自の事業として「おいしい輪☆ぷろじぇくと」にも取り組まれていますが、どんな事業ですか?

小橋さん 複数の事業所のお菓子を箱詰めして、企業の事務所などに置いていただく「置き菓子」方式による販売です。「BOCCHI」でのお菓子作りを始めたことをきっかけに事業化しました。現在、18団体25箱程度が設置されています。

— 「おいしい輪☆ぷろじぇくと」では、販売以外の効果があったそうですか、どのようなものですか?

小橋さん これまで障害のある方や事業所の活動に接することのなかった方たちが、事業所で作ったお菓子を手に取り、食べることを通じて、興味を持っていただく機会になっています。実際に「おいしい輪☆ぷろじぇくと」への参加をきっかけに、障害者雇用に取り組む準備を始められた企業もあります。また、新入社員研修の一環で作業所に来ていただき一緒に作業をするという取組も始まりました。このようにこれまでの店舗やイベントでの販売では生まれなかった繋がりが生まれています。

おいしい輪☆ぷろじぇくとの置き菓子

お客様の好みに合わせて詰め合わせた「おいしい輪☆ぷろじぇくと」の置き菓子

— 今後の「おいしい輪☆ぷろじぇくと」の展開はどうお考えですか?

小橋さん 企業の方から参加のご相談を受けており、今後も設置箇所は増やすことができると考えています。今後の展開に向け、より魅力的な商品づくりを目指して、一つ一つの商品の質を向上させるとともに、お客さまの飽きがこないような組み合わせの工夫にも取り組んでいます。将来的には専用のボックスも作りたいと考えています。お菓子の配達方法や余ったお菓子の処理など課題もありますが、今後も活動を広げていきたいと考えています。

 

地域を変える場所づくり

— 事業の中では、店舗の運営、そして様々な市民向け講座を実施する八幡東区のレインボープラザ内にある「虹のふもと」の運営、そして新たに中央町商店街内に設置される地域交流スペース「くるくる」の運営にも参画されるそうですね。様々な人たちが集まり、交流する場所づくりに積極的に取り組まれていますね。

小橋さん 「地域コミュニティ活動」では場所づくりは非常に重要と考えています。短期間で劇的な変化があるわけではありませんが、場所があることはジワジワと効果が現れると感じています。例えば、様々な市民向け講座を実施しているコミュニティスペース「虹のふもと」では、講座が終了した後に、受講生だった皆さんが自主的にサークル活動を始めたり、手作り雑貨の講座に参加されているみなさんが、商店街のバザーに出店して、自分たちが作った雑貨を販売したり。場所があることで人と人との繋がりが生まれ、さらにまた新たな繋がりや活動が生まれています。
また、作業所や店舗が街中にあることで、例えば商店街の方から、「(作業所に通う利用者さんの)◯◯さんが商店街を一人で歩いてたよ」と何気なく知らせていただいたり、気軽に挨拶していただいたりする機会が増えました。商店街や地域の皆さんにわくわーくの存在を知っていただき、活動を理解していただけたことで、まちの雰囲気は確実に変わってきていると感じています。

虹のふもと②

様々な人たちが集うコミュニティスペース「虹のふもと」

 

地域の中で活躍する福祉の専門職人材の輩出にチャレンジ!

— 活動をスタートして6年目を迎えましたが、10年目へ向けてこれからチャレンジしたいと考えていることはありますか?

小橋さん 新たな人材の育成に取り組みたいですね。現在、わくわーくでは学生の実習生を受け入れています。ほとんどは福祉の専門職を目指す学生たちです。わくわーくでは、作業所で一緒に作業することで利用者さんへの理解や接し方を学ぶ場を作ることはもちろんですが、あえて作業所の外の人たちにも接する機会を作っています。例えば「虹のふもと」へ行ったり、商店街のイベントに参加したり。実際に施設や病院で働く福祉の専門職の多くは、仕事が忙しいこともあり、仕事の対象となる人しか見えなくなってしまいます。本当にその人たちが暮らしやすい社会や地域をつくるには、施設内だけでなく、施設の外にも視線を向ける必要があります。福祉の専門職として、その地域の中で専門性を生かしながら何ができるかという視点を持つことが必要です。障がい者に関わる事業だけでなく、中央町を中心とした地域コミュニティ活動にも取り組んでいるわくわーくだからこそ、そのような人材を育てることができると考えています。

— どうもありがとうございました。

 

誰もが交流でき、繋がりが生まれる“場所づくり”、「おいしい輪☆ぷろじぇくと」を通じた企業と障害のある方や作業所との“繋がりづくり”、地域へ目を向ける福祉の専門家を育てる“人づくり”。今回お話をうかがって、わくわーくの事業には、様々な人々や団体、そして思いの繋がりを生み出す“しかけ”が埋め込まれていることを感じました。

今後もわくわーくの活動を中心に、素敵な繋がりが生まれ、新たな動きが生まれる中央町に注目していきたいです。

 

NPO法人わくわーく
805-0019 福岡県北九州市八幡東区中央3丁目5番3号
電話:093-671-1221
ウェブサイト:http://www.wakuwa-ku.com/
Facebook:https://www.facebook.com/wakuwaaku/timeline

 

聞き手:一般社団法人ソシオファンド北九州 菅恒弘

ライター紹介

LGK編集部
LGK編集部

「LOCAL GOOD KITAQ(LGK)」では、地域に住み・暮らす住民や企業、NPO法人などの民間主体が中心となって、顔の見える関係を大切にしながら、 サービス、 モノ、 カネ、 ヒト、 情報の循環をつくっていくことを目指し、地域課題を主体的に解決する活動「地域のGOOD=ステキないいコト」に多くの主体が参加するきっかけをつくっていきます。

 

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