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【クラウドファンディング・サクセスストーリーインタビュー】一般社団法人生き方のデザイン研究所 代表 遠山昌子さん

北九州市 小倉北区 LOCAL GOOD KITAQ LOCAL GOOD KITAQクラウドファンディング びびんこ採択団体 ソシオファンド北九州 ソーシャルビジネス 障がい者福祉 障害者

サクセスストーリー 遠山さん

プロジェクト概要

障害のある人とない人が理解し合い、「ともに」自分らしくイキイキと安心して暮らすことができる社会の実現に取り組む一般社団法人生き方のデザイン研究所(以下、生き方のデザイン研究所)。そんな生き方のデザイン研究所の主要事業の一つが、障害を自分の強みとして、自分らしく生き方をデザインしている人々(生き方のデザイナー)が講師となり、子どもたちと交流する「生き方のデザイナー出前教室」です。

生き方のデザイン研究所の代表 遠山昌子さんは、この「生き方のデザイナー出前教室」を、北九州市内でより多くの小学校に届ける費用を集めるために、2015年と2016年の2回、LOCAL GOOD KITAQ(以下、LGK)でクラウドファンディングに挑戦しました。遠山さんたちの思い、そして「生き方のデザイナー出前教室」の意義は多くの共感を集め、どちらのチャレンジでも目標金額を達成しました。プロジェクト作り、そして目標金額を達成まで、どんな苦労をし、そして工夫を凝らしたのかなど、遠山さんにお話を伺いました。

 

チャレンジへの決意

− どうやってクラウドファンディングを知りましたか?

遠山さん ファンドレイジングジャパン2015に参加した際に、クラウドファンディングについてお話を聞き、多くの方の共感を集め、そして資金を集めるという仕組みは非常に面白いなと関心を持っていました。

− なぜクラウドファンディングにチャレンジしようと思いましたか?

遠山さん 関心を持ちながらもなかなかきっかけがなく、いずれどこかでチャレンジしたいなと考えていたところ、一般社団法人ソシオファンド北九州(以下、ソシオファンド北九州)のメンバーの方からチャレンジしてみませんかとお話をいただきました。
私たちの活動は多くの方に理解して、共感していただくことが大事だと考えています。この考え方はクラウドファンディングに通じるものがあると考えています。その点では、私たちの団体とクラウドファンディングは親和性が高かったと思います。
初めてのチャレンジではありましたが、私たちの活動をより多くの方に知っていただくチャンスと捉え、チャレンジを決断しました。

 − なぜLGKでチャレンジしましたか?

遠山さん クラウドファンディングへのチャレンジのお話をいただいたタイミングは、ちょうどソシオファンド北九州との投資協働プログラム「びびんこ」の協働期間中でした。協働事業を通じて信頼関係が築けていたソシオファンド北九州のメンバーの方からのお話だったので、LGKでのチャレンジを決めました。

 

プロジェクトを立ち上げるまで

− プロジェクト作りで苦労されたこと、大切にされたことはなんですか?

遠山さん 初めてのチャレンジで、何をどのようにしたら良いのか分からず、手探り状態からのスタートでした。そのため、プログラム作りには非常に時間がかかったと思います。プログラム作りでは、ついつい専門的であったり、福祉業界特有の言葉使いや表現をしてしまいがちな部分を、サポートメンバーに指摘していただきながら、より多くの方に理解していただけるプロジェクト作りを心がけました。
そんな中でも、私たち生き方のデザイン研究所が日頃から大切にしている言葉使いや表現はなるべく変えないようにしました。その部分を変えてしまうと、これまで私たちの活動を応援してきていただいた方々を混乱させ、離れていくことになるのではないかと思ったからです。分かりやすい表現と大切にしたい表現とのバランスを取ることには苦労しましたね。

− サポートメンバーはどんな存在でしたか?

遠山さん 私自身、障害福祉分野に長く携わってきたこともあり、普段当たり前のように使っている言葉や表現が、伝わりづらいことがあることを改めて気づかされました。今回のプロジェクト作りでは、サポートメンバーの第三者としての視点は非常にありがたかったですね。プロジェクト作りを通じて、私たちの活動や大切にしている価値観、そして活動が生む出す成果を言語化することで、改めて頭の中にあるうまく表現できていなかった部分を整理することができたと感じています。

プロジェクト作りへ向けたサポートメンバーとのミーティング

〔プロジェクト作りへ向けたサポートメンバーとのミーティング〕

プロジェクトスタート

− プロジェクトがスタートして周りの反応はどうでしたか?

遠山さん 初めて取り組みということで心配もありましたが、多くの方から応援していただくことができました。ただ、私たちが普段関わりのある福祉分野に携わる方の中には、そもそもクラウドファンディング自体を知らないということがあり、何にチャレンジしているのかを理解してもらうことに苦労しました。これはちょっと想定外でしたね。これまで福祉分野は保険制度や行政からの補助や助成メニューが多くあるため、自分自身で資金を集めるということが理解されづらかったのかもしれませんね。

 

− 目標達成に向け、どのようなことに取り組まれましたか?苦労した点は?

遠山さん 私たちは普段の活動から、一人ひとりの関係作りを大切にしています。今回のチャレンジでも、寄付をいただいた皆さんには、個別にお礼のメッセージを送るといった基本的な部分を大切にしました。
チャレンジ期間中は、なるべく活動状況を情報発信するように務めていましたが、果たしてそれが効果的だったかは分からない部分があります。普段は“顔が見える関係”の中での活動が中心であるため、ネットを介した関係作りには難しさを感じましたね。

〔寄付者の方へのお礼を一つ一つ心を込めて作成中〕

〔寄付者の方へのお礼を一つ一つ心を込めて作成中〕

プロジェクト達成

− プロジェクトにチャレンジして良かったことは何ですか?

遠山さん 私たちは普段の活動では “顔が見える関係”を大切にしています。そのため活動を応援していただいている方も、そのような関係の方が多いのですが、クラウドファンディングでは、市外・県外からもたくさんの応援メッセージや寄付をいただきました。これはクラウドファンディングだからこそ得られたものですね。ただ、多くの市外・県外の方からの寄付をいただいた一方で、活動の中心である北九州市内の方からの寄付は思ったより少なかったですね。なぜそうなったのか検証が必要だと感じています。
また、実際に寄付をしていただいた皆さんは、何かしら私たちと関係性がある方たち(直接の知り合い、または知り合いの知り合い)がほとんどでした。より幅広い方から応援をいただくには、情報発信の方法やプロジェクトの内容・表現方法をもっと工夫する必要があると感じました。
今回のプロジェクトで集まった寄付をもとに実施した「生き方のデザイナー出前教室」では、学校や生徒たちにも、この出前教室が多くの方からいただいた志のあるお金(志金)で支えられていることをお伝えしています。このような授業が実現することをきっかけに、地域の教育を地域で支えるという形を広げていくことができたらと考えています。

〔クラウドファンディングによる志金で実現した授業の様子〕

〔クラウドファンディングによる志金で実現した授業の様子〕

これからクラウドファンディングにチャレンジされる方へ一言

遠山さん クラウドファンディングは、より多くの方に共感していただき、その方たちと関係性を作り出す、非常に価値があるツールだと思います。活動を取り組む上で、自分たちの足で歩いていきたい、そして多くの人たちと一緒に歩いていきたいという思いがあれば、ぜひクラウドファンディングにチャレンジしていただきたいと思います。

〔寄付者の方へ届けられたメッセージと子どもたちの感想文〕

〔寄付者の方へ届けられたメッセージと子どもたちの感想文〕

 

ライター紹介

菅恒弘
菅恒弘

一般社団法人ソシオファンド北九州 共同代表理事 北九州で社会課題解決に取り組む個人・団体との協働事業やLOCAL GOOD KITAQの運営を通じて、地域に暮らす誰もが、社会投資(資金・時間・専門性)を行う社会を目指して活動中。 北九州市出身、在住。

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